民話のご紹介
このページでは、湖南にまつわる民話を紹介しています。
湖南町には風力発電で知られる布引山の麓に
国の天然記念物のカツラの巨木があり、
布引山の御神木として大切に保存されております。
今月はこの木にまつわる民話をご紹介いたします。
『布引山のカッラ』
昔 布引山には、根曲がり竹が そごいらじゅうに 生えでいだ。
赤津の人達は、冬仕事に竹細工をするんで この竹を切り、山から
沢をひいで 落どすのだが、この沢の真ん中には でっけえ(大きい)
カツラの木が株立ちしでいで、じゃまになって いだんだど。
この話を聞いだある きこりが 「おらが、そのカツラを切ってやっぺ」ど
このじゃまになっている木を、切り始めだ。
ところがあまりにも、でっけぇ木なので一日では 半分も切れず 途中で
やめで、また明日切る事にして 帰って来だ。
その晩のごどだ。 「う~~ う~ う~」と 赤津村中に、どごがらどもなく
聞こえる、気味悪い うめき声のようなものがひびきわだった。村の人達は
何の音がど外に出てみだが何にも、見えねがった。
次の日の朝、きこりが昨日の続きを切ろうど カツラの木のところに行ったら、きこりは「あ~」と おったまげで(驚いて) 後ずさりした。
これは不思議、昨日切ったはずの のこぎりの後がどごにもねぇ、元通りに、ふさがっていた。「なむあみだぶつ なむあみだぶつ」と、唱えながら
タタリを恐れ、おっかねぐなって山がら下って来た。
それがらっつうものはこのカツラは、神様の木として拝み 誰ひとり刃物を
向けるものは、いねがったど。
あったど昔がさーげだ。(昔ばなしが栄えた)
今月の民話はどうでしたか?楽しんで読んでいただけたでしょうか。
このように湖南町にはその土地にまつわる様々な民話や史跡が残っています。
私たち会員は、希望される方に民話の読み聞かせや、歴史散歩のご案内をしております。
興味のある方は、ご連絡をお待ちしております。